コラム「前照灯」の本家「照明灯」(神奈川新聞本紙1面に掲載)にも、こんな鉄道の話題が・・・。番外編としてご紹介します。
JR京浜東北・根岸線から長年なじんだ209系電車が消える。一昨年12月から進められてきた最新型E233系電車への置き換えが完了するためだ。ラストランは今月24日。既に残るのは1編成のみ。「ありがとう」のヘッドマークを付けて走っている
▼209系は1993年2月に同線に投入された。「重厚、耐久性重視」といった従来の設計の考えを覆し、思い切った軽量化、省エネ化、コストダウンを進める新世代車両として登場した。その代わり寿命もあらかじめ短く設定、早期更新のメリットも追求した
▼だから長年なじんだとはいえ、電車としては短い17年という一時代を築いただけで去る。見た目にはまだ新車同然である。デビュー当時はグッドデザイン商品金賞も得た。日よけのカーテンを取り払った大型一枚ガラスの窓にも驚いたものだ
▼同線には10両連結の電車83編成が使われている。209系の仲間たちは廃車となるものもあるが、大部分は仕様を改めて千葉方面の各線で余生を過ごす。京浜東北・根岸線に最後まで走るのは「ウラ52」と呼ばれる浦和電車区所属の1編成である
▼いっそ潔いと言おう。車両の行く末は人生にも似る。将来の新型の礎となって駆け抜けていく。「ウラ52」を見かけたら声をかけてやろう。