【照明灯】1月21日付神奈川新聞より C61形20号機のはなし
コラム「前照灯」の本家「照明灯」(神奈川新聞本紙1面に掲載)にも、こんな鉄道の話題が・・・。番外編としてご紹介します。
C61形20号機。35年にわたって群馬県の遊園地にあった蒸気機関車(SL)だ。それが現役復帰する。昨日付の本紙でもボイラーや車輪部分などに分割されてトレーラーで運び出される様子が報じられた
▼C61形は東北初の特急「はつかり」など多くの特急、急行列車を牽引(けんいん)した大型の花形機関車。その20号機は1973年に廃車となるまで約287万キロも走ったという。いわば引退後は隠居して子どもたちと交わり、老いを楽しんでいた元名役者が再び舞台に呼び戻されるようなものだろう
▼JR東日本管内の各地には150機余りのSLが残されている。中で既にD51形、C57形の2機が復活、観光列車の運行に働く。いずれも小学校の校庭や駅構内で記念物として親しまれていたが、保存状態がいいのを認められて鉄路に戻った
▼人気でSLの運用が増える。今度のC61形の復元にはおよそ1年、3億円をかけるという。だが老体は隠せない。復帰してから20年を超すD51形はボイラーまで破損した。いまさら舞台に戻すのは酷な気がしないではない
▼ファンの夢に応えるならいっそ旧国鉄最後のSLとして戦後、設計図だけで終わった“幻の機関車”C63形を新造してはどうか。大いなる昭和のノウハウ、まさか失ったわけではあるまい。
