今、どうなっているんだろうと思い立って、ちょうど1年前の師走、横浜市内に保存されている市電を訪ね歩いた。市立中田小学校の1508号、県警交通安全センターの1505号、野毛山動物園の1518号。
久良岐公園の1156号に対面したのは底冷えする夕暮れだった。ヘッドライトや窓ガラスが欠落した顔は骸骨を思わせ、おりのような背の高いフェンスに囲まれた姿は哀れだった。そういう現状を2010年12月27日付の本紙で報じた。
記事を書きながら、もどかしさが込み上げた。管理が不十分だったこともあるだろうが、それを
批判すれば解決するのだろうか。鉄道ファンを自任する記者自身、今までこの荒廃ぶりに無関心でいたではないか。それで、記事には自戒を込めて「清掃や修理の担い手は行政に限らない」「市電への〝愛情〟が問われている」と書いた。
書いた以上は責任を持って修復に関わろうと心に決めた。本紙ウェブサイト「カナロコ鉄道ノート」を共に運営している鉄道好きの同僚らにそんな話をしているうち、自分たちで直しながら紙面でリポートして…と話が膨らみ、気がついたら「1156号修復の提案」と題した企画書が出来上がっていた。年明け早々、久良岐公園を管理する横浜市南部公園緑地事務所
にその企画書を送った。
