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横浜市電修復ノート【7】@久良岐公園

2012年4月11日 水曜日

1960年代半ばの1156号を再現しようとしている。年に生麦線、中央市場線が廃止される前のことで、横浜市電は総延長50キロ超を誇った。最後の黄金時代といえるだろう。そのころ1156号はどんな姿だったのか、これはきちんと調べないといけない。

手始めに市交通局の記念誌や写真集、60~70年代の雑誌「鉄道ピクトリアル」「鉄道ファン」をあさった。外観はクリーム色に青い帯を巻いた軽快な塗装。ワンマン運転になる前で、窓上の「ワンマン」表示灯がなくすっきりしている。

知れば知るほど、より細かい部分が気になる。とりわけ、クリーム色の色味は古いカラー写真ではよく分からない。それで実物を見慣れた地元の鉄道愛好家の記憶にも頼った。色見本を持参して、上大岡の歯科医、渡辺渥美さんに「こういう色合いでいいでしょうか」。鉄道模型の老舗・篠原模型店、いそご模型にも行った。鉄道友の会の八木義之さんには、職場にたびたび電話してしまった。

これはまさに、自分の知らない時代を追体験する作業だった。初めての街を探検するような感覚で、本当にワクワクした。

そういう過程をともにしたのは、歴史遺産の保存を研究している大学院生・平松晃一さん。彼とは昨年夏以来、横浜・滝頭の市電保存館を何度か訪ねた。1156号とほぼ同型の車体を持つ1500形の細部の寸法を計測するためだ。

子どもたちの歓声をよそに、私たちは窓や座席、手すり、ドアと、次々に巻き尺を当てた。「生麦線のさよなら電車は1156だったらしい」「保存館の倉庫の資料にその時の公文書があったはずだ」などと話し合ううち、〝生きた〟市電の姿が、カメラのピントを合わせるように次第にはっきりしてきた。

ある日、彼から「楽しくて仕方ありません」の一文とともに、1156号のライトを点灯させるための電気配線図が送られてきた。「理科は苦手で…」と言いながら、独学で、徹夜で、一気に書き上げたという。

【4月5日付本紙記事】