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JRと京急〝絶景〟の魅力2通り、新たな顧客層開拓も/「鉄泊」体験リポート(下)

2011年3月2日 水曜日

行き交う列車を眺めながら、ホテルライフをゆったり満喫―。親子連れをターゲットとした企画を2009年春から打ち出している川崎日航ホテル(川崎市川崎区)。列車を見るのが大好きな長男(1歳6カ月)を連れ、家族3人で「鉄泊プラン」を利用してみた。

 川崎駅前の大型商業施設にはベビー休憩室や子連れでも入店しやすい飲食店がいくつもあり、窓際の席から京急線が見えるカフェも。

京急線といっても真っ赤な電車に限らずステンレス車両、都営浅草線など
鉄道好きの子どもなら、すぐに飽きてしまう心配も不要だ。

深夜0時過ぎ。

遅くまで往来の多い川崎駅前の騒々しさから一転、夜更けの静寂がホテル客室を包み込む。

「まもなく本日の下り最終電車が到着します…」

家路を急ぐには忙しなさをかき立てるだけの到着案内も、この夜ばかりは夢心地。

翌朝、午前5時過ぎ。

「でんしゃ」

普段より早く起きてきた子どもが、ママの顔を見るなり発した言葉。
正直これには仰天したが、電車の見える客室に滞在していることが子どもなりに理解できているらしい。

大好きな電車を間近に望む環境が嬉しいのだろう。
しかし、日常と違う場所で無理をさせてはいけない。まだいいよね、と再び寝かしつけた。

そうはいっても、ママは目が冴えてしまった。

1本、また1本…、徐々に狭まる運転間隔が通勤ラッシュ到来を告げる。

ひと昔前なら、九州・中国地方からブルートレインが次々と上ってくる時間。
眼下の風景もバラエティーに富んでいたはずだが、現在は「サンライズ瀬戸・出雲」の1本のみと寂しい。

これを見逃してはなるまい。

東京駅を目指すサンライズ瀬戸・出雲(左側の電車)

東京駅を目指すサンライズ瀬戸・出雲(左側の電車)

6時50分過ぎ。夜明けの空を思わせる色をした2階建て電車寝台特急が
川崎駅の通勤客を横目に走り抜ける。これを見られてよかったー!
寝た子とパパを起こさないよう、〝ママ鉄〟と化したママは心の中で喜んでいたのだった。

朝食はホテル10階、約30品が並ぶビュッフェレストラン「ナトゥーラ」へ。
大きな窓から、バスターミナルの端を横切る京急線を望む。
電車好きの子どもはこれでも〝お腹いっぱい〟にならないのか、
食後もまだ見ていたい様子で興奮しきりだった。

10階レストランから見える京急線

10階レストランから見える京急線

電車がそばを走る〝絶景〟、そして都会の景色と多摩川、富士山…。

JR線と京急線、部屋によって眺めが異なる川崎日航ホテルは、それぞれの宿泊プランを用意。
電車の眺めに限ればJR側が充実しているが、
京急側なら電車に加えて羽田空港を離発着する航空機や
臨海部の工場群にそびえる煙突など、ひと味違った眺望が眼下に広がる。
〝欲張りさん〟には甲乙つけがたい。「部屋を替えて連泊しても」と同ホテルは提案する。

これらのレジャー商品は、「ビジネス需要が圧倒的だった」ホテルにとって、新たな顧客層の開拓につながった。
当初は写真撮影目的で一人で訪れる鉄道ファンが多かったが、週末を中心に家族連れのニーズが高まったという。
宿泊特典の記念品も時期によって変更するなど工夫を凝らす。
現在は、川崎市内の駅(武蔵小杉)に停車するようになった「成田エクスプレス」の記念入場券や
京急電車のペーパークラフトを用意。プランに応じたプレゼントが好評を得ているという。

「253系成田エクスプレス引退記念入場券。JR側に宿泊するともらえる記念品だ」

「253系成田エクスプレス引退記念入場券。JR側に宿泊するともらえる記念品だ」

従来、観光資源に乏しいとされてきた川崎。

羽田空港国際化や臨海部の夜景の人気を〝追い風〟に、同ホテルは今夏に向けて新プランを企画している。

電車、工場夜景、機体整備工場見学の「『陸・海・空』で満足してもらえれば」と意気込んでおり、観光シーズンには子ども向け鉄道雑誌などでアピールしていくという。

プラン詳細は川崎日航ホテルホームページ 。宿泊予約直通電話044(244)5941。

→鉄泊体験レポート(上)・はしゃぐ子供、行き交う電車

この特集はバザール編集部の鈴木美帆子が担当しました。鉄道好きの子供がいるお母さんのコミュニティーは「ママ鉄★子テツ」もあります。

◆◇◆

★「電車の見える部屋」宿泊券をペア1組にプレゼント
今回紹介した、東海道線・京浜東北線・南武線が眺められるデラックスツインルーム
(2人・朝食付き3万8千円相当、6月30日まで有効=4月29日~5月8日除く)。
はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記し、
〒210-0024、川崎市川崎区日進町1、川崎日航ホテルマーケティング課、
「神奈川新聞」係。3月9日必着。問い合わせは、同課044(233)5957。